こばと園のイメージ図

こばと園は心臓病のこどもたちのための自主保育グループです

純型肺動脈閉鎖症の子の生い立ち

娘は妊娠6ヶ月頃に診断され、産まれてからは2回の手術を経て、生後5ヶ月頃に退院しました。 退院してからは人混みを避けるようにと言われ、ひっそりと暮らしていました。 24時間在宅酸素療法をしていたので、外出時はいつも酸素ボンベを持って出かけました。

ある時、心臓病の子どもを守る会の講演会に誘われて、そこでこばと園の存在を知り、1歳頃に入園。子育て支援センターなどは、感染のリスクがあり行かせてあげられなかったので、同年代の子供との触れ合いは、とても良い刺激になりました。

3歳直前にフォンタン手術(根治手術)を終え、在宅酸素療法が終わり、区立の幼稚園に入園。おむつが取れていなかったり、身体が周りの子よりかなり小さかったり、出来ないことも沢山ありましたが、周りの子達に助けられながら育ち、先生方の理解もあり、娘のペースで成長を見守って下さいました。

年少の頃は発熱で休む事も多かったですが、風邪での入院は一度だけで、段々身体が強くなっていくのを感じました。

年少から本人の希望でチアダンスを習ったり、公園で遊ぶのが好きなので極力付き合ったりしながら、マイペースに体力をつけていったように思います。 フォンタン術後の運動制限で潜水とマラソンは不可ですが、水に慣れる程度に水泳も少しだけ習いました。

年中からは幼稚園までなるべく歩いて通う事を決めて、きつい時は無理せず、少しずつ歩ける距離を伸ばしていきました。

コロナ渦に小学校に入学し、重いランドセルを背負い、片道20分の道のりを徒歩で通学しています。お友達と歩いて行くのが楽しいらしく、真夏の暑い日でも汗ビショビショになりながら、何とか行き帰りするのを見て、強くなったなぁと思います。

これから大人になるにつれて、また不具合が出てくる可能性はあり、妊娠出産が難しいと言われています。そういった事をどうやって消化していくか、こばと園での出会いが助けになるかもしれないと思っています。

2020年10月記